一緒に働く

自在塾の生徒から常勤スタッフへ

スタジオplus+講師

人に恵まれていた幼少期

 私は小学生のころに海外から日本に来ました。そのとき、日本語はほとんど話せなかったので、日本に来てから日本語の教科書で必死に「あいうえお」から学びました。1年間、毎日ひらがな、カタカナ、漢字を練習して、幼いながらも私ってめげない子だなと気が付きましたね。

公立の小学校に通ったのですが、小学校の先生がとってもいい先生で、毎日、ノートの丸付けだけでなく、コメントもしてくれていました。夏休み明けには、たくさんの宿題を全部見て、一つ一つにコメントもくれました。小学校で仲の良かった友だちは、いつも送るメールにも、私の言葉を直して飽きずに返信をしてくれました。

言葉は、話したり、書いたりしなければ上達しないし、指摘を素直に受け止めなければ直せないですよね。まわりのみんなが直してくれるから気付くことができて、メールでは分からなかったときでも、会ったときに確認したらゆっくり教えてくれる友達がいて、たくさん助けてもらうことができました。本当に私は人に恵まれていると思います。

私は中学生のころ、自在塾の生徒になりました。中学3年生のころは受験のために必死でした。その頃、住んでいるところには勉強できる環境が無かったんです。お母さんとも、折り合いがつかないこともたくさんあって、家に居たくない日も多かったですね。そんなとき、いつも塾長が「ここで勉強していいよ。」と言ってくれて、中学生のころは、ほとんど毎日自在塾に通っていました。
 高校受験は、もちろん簡単ではなかったけれど、まわりの人や、環境に恵まれていたからこそ、乗り越えることができたのかなと思っています。友達や先生が私のために頑張っていてくれるから、私も頑張ろうって思い続けることができていた気がします。

 だから今、担当している中学生の生徒さんに、あのころの自分を重ねたりしています。一緒に頑張ってくれる先生がいて、励まし合える仲間がいて、見守ってくれる大人がいる、そんな安心できる場所であってほしいなと思いながら接しています。

高校中退で迫られたのは、生き方の選択

 高校2年生で高校を辞めてしまったときに、相談する場所も相手もわからず、自分が以前通っていた自在塾に遊びに来ました。そのとき、中学生のころから家庭環境や将来についてもよく話を聞いてくれていた代表の不破さんが、今後のことを心配してダイバーシティ工房で働くことを提案してくれました。私の居場所を残しておいてくれたのかも、なんて今は思います。
最初の1年半くらいは非常勤で働いていました。最初は教えてもらった経理の仕事と、家庭訪問の生徒を一人だけ受け持っていました。その子と私の変化を見ていた不破さんが「そろそろ講師も本格的にできるんじゃない?」と言ってくれたので、講師の仕事をメインでしようと考えました。それは、なによりも子どもが好きだからという気持ちがあったからです。

でも、実際に講師としての仕事を始めてみると、思っていたよりもはるかに大変で、好きという気持ちだけでは出来ない仕事なんだと気が付きました。もちろん今でも簡単にでるなんてことはありません。でも、だからこそ、子どもが実際に何かをできるようになったときには、達成感が大きいですね。
去年は受験生を一人持っていました。その子が受験に受かったときには、自分のことかと思うくらい、その生徒さんと過ごしてきた中での、様々な想いがこみあげてきて、うるっとしちゃいました。

仕事があったからこそ、立ち直れることもある

仕事ってやりがいがなければ面白くないし、やりがいがないと何をどう良くしていけばいいのかわからないんじゃないかなと思います。高校を中退した理由も、学校生活にやりがいがあると思えなかったからなんです。1回でも、楽しいとか嬉しいとか思える瞬間を実感できると、辛いことがあっても、乗り越えながら続けていくことができます。
だから、工房で働き始めて、もうすぐ2年。辞めたいと思うことも何度もありました。でも、乗り越えられてきているというのは、支えられているものがあって、支えてくれる人がいるからだと思います。なんだかんだで乗り越えると「やっぱり私ここにいたい。」そう思うんですよね。

 プライベートでうまくいかないことがあったときも、仕事があったから少しずつ立ち直っていくことができました。だから、私にとって「仕事=やりがい=人生」だと思うんです。

悩んだときに「悩んでます」と言える環境が好き

 不破さんや塾長先生は、私が中学校のときから大事な相談相手で、今でもよく私の話を聞いてくれます。何かに悩んだときに「悩んでいます」と言えるこの環境が好きです。みんなも私も日々の仕事が忙しい中で、話す時間をたくさん取れるわけではないんですけど、どんなときでも誰かが聞いていてくれる。相談できる仕組みがきちんとある。安心できるからこそ、好きでいられて、貢献したいと思える。本当にここにいてよかったな、ここのためにがんばろうって思えます。

周りの友達には「もっと稼げる仕事をすればいいのに…」と言う人もいます。でも、私は好きでやっているから今は、これで十分だと思っています。日々、何もないときに「やっぱり私ここにいてよかったな」「ここが好きだな」って、本当にふと思ったりするんですよね。

組織の変化のスピードが速いので、それについていけない人もいるかもしれないと思うときがあります。働く人の数も、今どんどん増えているので、コミュニケーションが取りにくくなるときもあるかもしれません。
でも、組織も働くメンバーも変わっていくからこそ、職員旅行やキャンプなど、スタッフ皆で作り上げていくようなイベントを積極的に企画して、今までの工房の良さを大切にして、今以上に楽しく働ける場づくりをしていきたいです。

20年後は代表になっている!

私、きっと10年後は教室長になっています。20年後は代表になっていると思っています。…なんて実際は分かりませんが、そのくらいの目標を持っていた方が絶対におもしろい。私は第二の不破さんになりたいと思っているんです。(笑)
そうやって、尊敬できて、憧れる大人がいる社会に、自分が居られるって大切だと思っています。私も子ども達からそんな風に、素敵な大人に見えていたらいいなと思いながら接しています。

 ダイバーシティ工房は、団体の名前の通り多様性を生み出していく場です。常にさまざまな変化のある場所だということを楽しんだり、ここに色んな人がいるということを認めて、理解したりできる人と一緒に働きたいなと思います。

また、子ども達の多様性だけでなく、スタッフや接する地域の人達、みんなの多様性を大切にしています。私みたいに学校生活をやり直してきた人もいれば、元保育士もいるし、元看護師もいる。いろんな人がいるからこそ、私たちにしかできないことがある。
そんな、たくさんの価値観を大切にしてくれる人との出会いを楽しみにしています。


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